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明日への遺言に使用された写真について
平成20年4月12日土曜日雨 ×××
評論家の本郷美則氏(元朝日新聞研修所長)が「正論」四月号の牧野弘道氏(元産経新聞編集委員、父君はレイテ戦における第一六師団長・牧野四郎中将)との対談で指摘しているが、この映画の中に支那上海で線路上にただ一人取り残されて泣叫ぶ赤ん坊の写真が使われています。
これは、アメリカの写真誌「ライフ」が昭和一二年(一九三七年)一〇月四日号に掲載した有名なものであり、同じく「ライフ」一九三八年一月三日号は「読者が選ぶ一九三七年ニュース物語ベスト一〇」に選びました。
撮影者は支那系アメリカ人H・S・ワン(王小亭)です。
そして、フランク・キャプラ監督によるアメリカの宣伝映画「バトル・オブ・チャイナ」。同じくアメリカの小冊子「日本・世界の敵」(Japan:
The World Enemy)、「ルック」一九三七年一二月二一日号などの写真、画像を分析した方々より宣伝のために製作されたものであるという意見もある写真です。
東中野修道氏は小山栄三氏の「戦時宣伝論」(昭和一七年)p一六六よりの引用として下記のことを指摘している。
以下引用
各国の通信員はいづれも意識すると、しないとに拘らず其の国の利益代表者であるか、叉はセンセーショナルなニュースを巻き起こした、日本軍の爆撃で廃虚になった南京(ママ・上海の間違い?)停車場に唯一人親から離れて迷子となった二つ位の子供の泣いている悲惨な写真がある。
然しこれは幸にもシカゴ・トリビューン・プレス・サービスのポウェル君がその写真は子供を後から連れてきてポーズさせてとった偽造写真であることを更に写真で証明してるので偽造写真であることを一般人に納得させることが出来たが、これは蒋介石お気に入りハースト系カメラマンとして、満州事変当時から其の辣腕を知られてる「ニュースリール王」(原注「ニュースリールは渾名」)の作品であり、パネー号事件の報道と並んで、米国民の対日感情を急激に悪化せしめたという曰くつきの宣伝写真である。
支那側は事々に自己の敗戦による悲惨を誇大化して泣訴し、第三国の対日干渉を誘発せんとしてるのだ。この種の「拵へられた」宣伝写真が欧州大戦当時既にどれ程重要な役割を演じたか今猶種々の記録を通じて周く知られてる事実である。
引用終わり
私は東中野修道氏の著書「南京事件 証拠写真を検証する」(草思社)p八一より引用
もちろん、この写真について逆の検証もありますが、多くの疑義があるのも確かです。そのような写真を連合軍の戦犯裁判の醜さに対しての抗議の意味で使うのであればそれなりの意味があると思いますが、そうでなく、ただ、爆撃の残虐さを現すという意味で使用したのであれば、このような疑義のある写真を使用すべきではないのではと思います。