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朝日新聞らしいアンケート結果
文責はすべて、酒たまねぎや店主の木下隆義にございます。
平成18年7月17日月曜日雨 ○
朝日新聞平成十八年七月十六日三三面で「どんな時『日本』思う」というアンケートを基にした?記事が掲載されています。
サッカーW杯からの導入部分に続いて「先の国会では「愛国心」を巡って議論された教育基本法改正案の審議が、ポスト小泉での次期国会に持ち越しになった。昨年の総選挙で、小泉自民党に投じた10人に、『日本』への思いを聞いた」と書いています。
表には10人の名前、年齢、生まれ変わるなら何処の国(日本、日本以外、どこでもいい)、愛国心について、今、総裁を選ぶとしたらという項目があり、それぞれの人の意見などが書いてあります。
「生まれ変われるなら、何処の国」とされたアンケートは「朝日新聞の会員組織」「アスパラクラブ」の会員に七月十一日夕から十四日夕までインターネット上で実施し。一一〇〇九人から有効な回答を得たとされています。
その結果として
日本=57・1% 日本以外=19・9% どちらともいえない=23・0%
大きな副見出しともいえるものは
「外国人にたずねられて/国威発揚には違和感」というもので、一〇人のそれぞれの意見が表にされていていましたが、記事となっていたのは三人だけ。
それは、一見普通の記事ですが、巧妙に操作されています。
まず、紙面の都合でしょうが、一万千九人のアンケート結果(生まれ変われるなら 日本=五七・一% 日本以外=一九・九% どちらともいえない=二三%)の中より一〇人を選んでおきながら、六、二、二ではなく六、三、一と片寄っている。三人選ぶのであれば、それぞれの立場の代表的な意見を選ぶべきなのに、一番下にあったミチヨさんのように「戦中戦後苦しく惨めな思いもしたが、今夏も祇園ばやしが京の街に響く。世界でこんないい国はない」と発言はいいわけで書いてあるだけで、記事になった三人は全員安部氏支持としながら、「愛国心」というものに微妙な発言をしているものを選んでいる。
<日の丸への忠誠心も君が代への愛国心もないのが普通>
ケイコさん(今度生まれ変われるとしたら日本以外と答えた)
以下その発言内容の概要
サッカーW杯のテレビ観戦は正装で見たと書いているこの女性の正装とは、缶チューハイを飲みながら、夫はサムライブルーのユニホーム、自分は青いサイクルジャージだそうです。
そして、(W杯)韓国代表は、選手もサポーターも、日本とは違う。「韓国は国を背負って戦い、応援しているみたい」
日本代表の選手にはそれを感じないし、自分も「日本のためにがんばれ」なんて思いはない。
留学先で日本のいいところをたずねられて、日本のことを懸命にアピールしたい気持ちと、ありきたりなことしかいえない情けなさとして、日の丸への忠誠心も君が代への愛着もないけれども「いま思うと、あの時の複雑な気持ちが、私にとっての愛国心の第一歩だったかも」という。
終わり
<「世界市民」という言葉を巧妙に使わずに、それでいて「世界市民」という事を意識させる言い回し>
マサルさん(今度生まれ変われるとしたら日本、日本以外のどちらともいえない)
以下その発言内容の概要
親子キャンプで、四人の父親があつまり、その中の自らを「右翼」と称するある父親の、日本は自らの軍隊を持つべきで「息子も国のために命をかける強い男になってほしい」と言ったことに対して、「本当に子供たちを戦場に送れるか。できないだろう」と反論したという。
そして、お約束の「愛国心」なんて言葉を使えば、日本対外国という枠で考えてしまう。国や民族でなく、家族や隣人、大げさに言えば人類や地球環境を単位で考えられないか。そうすれば、何かが変わる。
ポスト小泉には安部氏がいい。だが、北朝鮮のミサイル問題で頻繁に登場する安部氏を見て、なぜかリーダーシップが足りないと感じてきた理由が分かった。本当に強硬なのは小泉首相で、安部氏は自分の言葉で語っていないように感じる。リーダーをめざすなら、「自分はこう思う」と言ってもいい頃だと思う。
終わり
<先に「右翼」と書き、ここでも「カミカゼ」「大本営」という言葉を出して警戒心をあおりながら、今の日本経済があり、そのおかげで裕福に成れたのだから、余計なナショナリズムは不要>
ユキオさん(今度生まれ変われるとしたら日本と答えた)
以下その発言内容の概要
サッカー好きで、「奇跡は必ず起こります」「サムライブルーに染まり、戦い抜きましょう」。リポーターの甲高い声に違和感を覚えた。勝利への確信をすらすら口にする解説者に既視感があった。
「まるで、カミカゼと大本営発表だなあ」
対戦国とのスタミナや体格の差を目の当たりにして「日本が負けるかも」と口にすれば「人でなし」の空気。「勝ってほしい」という気持ちをあおる熱気にあてられた。
旅行会社に務めていた三〇年前、米・アラバマ州の波止場で、舳先にに日の丸をつけた船を見つけた。大豆の買い付けに来た日本船。船長はユキオさんが日本人だと知ると「刺し身にしなさい」と白身の魚を差し出した。
ホテルの部屋で刺し身にしながら、じわじわとこみ上げてきた。貧しかった日本が、米国の果てまで旅行や買い付けにくるまでになったこと。そこで声を掛け合えるようになったこと。
「国威発揚よし、五輪より、自分が日本を愛している、と感じたのはあの時ですね」
愛国心はあおるものではなく、心の奥底からわいてくるもの。教育基本法に書き込んでも何の意味もない、と思う。
終わり
とくに、二人めのマサルさんの言葉を前振りとして世界市民という言葉を使わずにそれを意識させ、「安部議員」を名指しでリーダーシップがたりないと感じると書き、それは自分の言葉で語っていないからだとして「『自分はこう思う』と言っていい頃だと思うと書いている。これは靖國神社参拝についての態度をはっきりさせ、争点とさせる。そして、三人めのユキオさんには「貧しかった日本が、米国の果てまで旅行や買い付けにくるまでになったこと。そこで声を掛け合えるようになったこと」そして「自分が日本を愛している、と感じたのはあの時ですね」というような経済同友会なみの言葉を吐かせる。これは、「日本という国は戦後の平和教育という名の事なかれ主義が正しかったのだ。経済優先でいけばいいのだ」と言っているのと同じです。
記事にしている三人とも安部議員支持というのは安部議員支持の人たちもこのような考えを持っているのだという操作といえば考え過ぎでしょうか。
なんと言っても、これにだめ押しで書いていて、笑えるのは、識者によるコメントです。
政策研究大学院大学 橋本晃和教授
以下引用
危険に目覚めた人増加
日本を選ぶ人が六割を切った理由の第一は安全だろう。北朝鮮からミサイルが飛んできても自分の街には落ちないと思う人が多いのが日本人の気質だが、今回は、小泉政権が靖国参拝にこだわり、中韓との関係が悪化する中で飛んできた。日本も危ないと目覚めた人が増えたのだと思う。経済的な理由もある。デフレ脱却や景気回復というが、多くの人は自分の暮らし向きが厳しくなっていると感じ、老後や子育てなどに不安を抱いている。そうした人が「どちらともいえない」に変わったのだろう。
精神科医 香山リカ
「愛国」をかたる自己愛
スポーツの威を借りて、国が強くなったような幻想を抱くシステムは今や当たり前だ。W杯では大和魂、玉砕覚悟という言葉が飛び交ってもとりざたされなかった。だが、「日本」を選んだのが六割未満という数字通り、今の「愛国」は本当は「日本」に向いているのではない。個人が人生への自信を取り戻すための自己愛的なナショナリズムだ。自己愛だからこそ、相対化できずに「どこの国の愛国心が正しい」という議論に発展しやすい。こんな中で教育基本法に盛り込めば、他国への蔑視を助長するだけ。ポスト小泉の四候補が「愛国心は重視しない」などと到底言い出せない今の雰囲気が恐ろしい。
引用終わり
まあ、アホだアホだと思っていましたが、ここまでアホをさらすとは思ってもみませんでした。靖国参拝については支那、朝鮮に干渉されるいわれはありません。支那、朝鮮との関係についてはすべて向こうが悪いのです。二人とも他国との比較など、具体的数値をあげることなく結論を出しています。香山女史など、「『日本』を選んだのが六割未満という数字通り、今の『愛国』は本当は『日本』に向いているのではない。」と書いていますが、どうして、日本に向いていない愛国心と言い切れるのでしょう。何割であれば香山女史のいう「『日本』に向いている愛国」になるのでしょう。まさか、一〇割とか言うのではないですよね。南朝鮮の愛国心などについてもぜひ言及してほしいものです。
公平に見えて、実は朝日新聞らしさバリバリのアンケート結果を基にした記事でした。こりゃあ、大ホームランで完全保存版です。
そして、24面の教育というコーナーでは、あの支那、朝鮮と反日日本人らが書いたウソ本「未来をひらく歴史」の授業での活用法報告などという記事もあります。
流石は朝日新聞と感心いたしました。